リノベーションのデメリットには、大きく分けて2種類あります。
それは「中古物件」と、「リノベーション」そのものに対するデメリットです。
この記事では、それぞれのデメリットと対応策について詳しく解説しています。
リノベーションで後悔したくない、という方はぜひご一読ください。
【目次】 1.リノベーションのデメリットは2種類ある ①中古物件に関するデメリット ②リノベーションに関するデメリット 2.中古物件のデメリットを解決する対応策 ①内装や設備だけで判断しない ②過去の修繕計画と管理状況をチェックする 3.リノベーションのデメリットを解決する対応策 4.【リノベーション物件別】デメリットと対処策 ①中古物件を買って自由設計リノベーションした場合 ②リノベーション済み物件を購入した場合 ③リノベーション済み賃貸物件を借りた場合 5.まとめ |
中古物件を購入してリノベーションをするにあたって、
「不安は何もない!」という方は少ないかと思います。
リノベーションをするにしろしないにしろ、
中古物件を購入する際は多くの方が不安になるものです。
そこで今回は、
中古物件をリノベーションするときに感じる不安なポイント、
つまりデメリットと、それをプラスに変える対応策をご紹介します。
1.リノベーションのデメリットは2種類ある
リノベーションのデメリットには、大きく分けて2種類あります。
それは「中古物件」と、「リノベーション」そのものに対するデメリットです。
①中古物件に関するデメリット
どんな物でも中古を購入するときは
「見た目は綺麗かな」「すぐ壊れたりしないかな」と不安になりますよね。
それが何千万とするマンションなら、不安になるのは尚更です。
ここでは、中古物件を購入する際に多くの方が気になるであろう3つの不安なポイントを挙げていきます。
中古物件を購入する際のデメリット(不安な点)
・耐震面
自然災害が多い日本において、地震に強い家なのかどうか気になる方は多いことでしょう。
1981年5月31日までに確認申請を受けた建物は「旧耐震」、
1981年6月1日以降の確認申請を受けた建物は「新耐震」といいます。
建築基準法の改正以前に建てられた物件の中には、
手抜き工事をされている場合があります。
(ただ、新耐震の物件であっても管理状態が悪ければコンクリートがひび割れして耐震性が低くなっているケースもあるので、一概に「旧耐震だからダメ」とは言い切れません)
・外観
これは完全に好みの問題にはなりますが、30~40年前の中古マンションは、
新築と比べると外観のデザインは古く感じます。
リノベーションを行うのは部屋の中ですので、外観はそのままです。
外から見ても綺麗でイマドキなマンションを希望されている方には悩まれるポイントかもしれません。
・共用部分
上述した外観のデメリットにも似ていますが、
物件の共用部分や設備が気になるという方も少なくありません。
最新のマンションには最新の設備が備わっていますが、
古いマンションには設備が古いか、そもそも無いケースもあります。
たとえば、オートロックや宅配ボックス、エレベーターの有無、
24時間ゴミ捨て可能かどうか、などです。
部屋の中はリノベーションをするので
最新のシステムキッチンなどの希望はどうにでもなりますが、
古いマンションは排水管も老朽化していることも多いので注意が必要です。
②リノベーションに対するデメリット
ふたつ目のポイントは、リノベーションそのものに対する不安です。
やはり、希望通りのリノベーションが予算内にできるかどうかが気になるポイントではないでしょうか。
リノベーションは、フルスケルトン(全体改修)で行うことが多いため、
基本的には間取りや設備などの変更が可能ですが、
マンションの構造や規約によってはリノベーションができないことがあります。
リノベーションができないケースは以下のとおりです。
・マンションの共有部分(外壁の塗装など)にはリノベーションはできない ・上下・左右の部屋に影響がない範囲で工事ができる (そのため、床材の変更が禁じられているケースがあります) ・マンションの規約で電気とガスの容量が定められているため、オール電化に変更できない場合がある ・耐震性や構造上、必要な柱は解体できない |
上記のようなマンションの構造や規約などは、
事前に調べれば分かるので大して問題ではないのですが、
やっかいなのは解体するまで分からない不具合です。
たとえば、排水管の老朽化や柱のヒビ割れなどが解体したら見つかった場合、
当初の見積もりよりも工事費が上がることがあります。
2.中古物件のデメリットを解決する対応策
ここまで中古物件をリノベーションする際のデメリットについてご説明しました。
ここからは、デメリットに対する対応策をご紹介したいと思います。
①内装や設備だけで判断しない
中古物件を購入するときは、つい内装や設備をチェックしてしまいがちですが、
リノベーションをすれば内装も設備も最新にできるのです。
物件選びの際に重視すべきなのは、内装や設備ではなく、
物件の構造や住環境、耐震性、共用部分など、
「リノベーションでは変えられない部分」です。
特にゴミ捨て場や廊下、エントランスなどの共用部分の管理は行き届いているか、
隣人にトラブルになりそうな人はいないかなど、しっかりチェックしましょう。
②過去の修繕計画と管理状況をチェックする
中古物件を購入する上で必ず確認して欲しいのが、過去の修繕計画と管理状況です。
マンションの法令上の耐用年数は47年といわれていますが、
これはあくまで税制上の寿命であり、実際の建物の寿命ではありません。
定期的にメンテナンスを続けてれば、45年どころか60年、
80年と長期に渡って住み続けることは可能といわれています。
しかし、いくら丈夫なマンションといえど、
何のメンテナンスもしなければ経年劣化によって強度が保てなくなります。
きちんと管理されているマンションであれば、
定期的に塗装や補修工事などを行っているはずです。
中古マンションを内覧する際には、管理状況(過去のメンテナンス履歴、
将来的な修繕計画)をしっかりチェックすることが重要です。
3.リノベーションのデメリットを解決する対応策
リノベーションに対するデメリットを解決する対応策としてご紹介したいのは、
優先順位を明確にすることです。
たとえば、
・リモートワークに適した環境を作りたい
・ホームパーティーをするための大きいリビングを作りたい
・家族とコミュニケーションが取れる間取りにしたい
・カフェ風のお洒落な家にしたい など
好みやリノベーションしたい理由は人によって様々かと思いますが、
できるだけ自分の希望や理想を明確にすることがリノベーションを成功させるポイントです。
4.【リノベーション物件別】デメリットと対処策
リノベーションといっても、リノベ済物件を購入するのか、
中古物件を購入してフルリノベーションするのか、
はたまた賃貸のリノベ済物件を借りるのか、おもに3パターンあります。
ここでは、それぞれに起こりうるデメリットと、対応策をご紹介します。
①中古物件を買って自由設計リノベーションした場合
まずは、中古物件を購入してリノベーションをする場合のデメリットと対応策をご紹介します。
◎メリットこの場合の一番のメリットは、 自分の好みやライフスタイルに合わせて自由に内装や設備、間取りなどを決められることです。 リノベーションすることを前提に中古物件を購入するので、 内装や設備の状態などを気にする必要がありません。 そのため、新築や中古マンションをそのまま購入する場合よりも物件の選択肢が豊富です。 |
◎デメリット1 通常は、物件の引き渡し日以降から住み始めることができますが、 リノベーションをする場合は設計や施工が必要になります。 おおまかな目安としては、 中古物件を購入してから→設計→施行→引き渡しまでにかかる期間はおよそ3ヶ月~6ヶ月です。 住み始めるまで時間がかかることが一番のデメリットといえるでしょう。 また、賃貸にお住まいの場合は、家賃と住宅ローンの二重払いが発生するケースもあります。 |
◎対応策リノベーションの工事が終わるまで、 住宅ローンを金利のみにしてもらうよう銀行に交渉してくれる会社を選ぶという方法があります。 また、「ワンストップ」と呼ばれる物件探しからリノベーションのデザイン、 施工を同じ会社で行うサービスを選ぶことで段取りがスムーズになります。 弊社もワンストップを取り入れている会社のひとつです。 |
◎デメリット2 リノベーションを行う場合、一般的な住宅ローンは利用できないケースがほとんどです。 その場合は、リフォームローンを組みます。 リフォームローンは、住宅ローンよりも金利が高い傾向があります。 |
◎対応策中古物件を購入する際に、 リノベーションの費用と合算して金利の低い住宅ローンにまとめて組むことが可能です。 先述したワンストップというサービスを取り入れている会社に相談することをおすすめします。 |
②リノベーション済み物件を購入した場合
最近は、リノベーション済物件というものが増えているようです。
普通の中古マンション購入と変わらない感覚の方も多いかもしれませんが、
デメリットを確認しておきましょう。
◎メリットリノベーション済の物件を購入する一番のメリットは、 住宅ローンのみで購入できる点です。 次いで、引き渡し後すぐに入居できるという点。 「新築よりも安い価格で、お洒落な中古物件を購入したい!」という方にはピッタリの買い方です。 |
◎デメリット1 自分の好みのデザインやライフスタイルに合った間取りに合致している物件が見つかればラッキーですが、 そうでない場合、「できる限り自分の希望に近い物件を選ぶ」ことになります。 これでは自分好みの家にできるというリノベーションの最大の利点を生かせないことになります。 |
◎対応策暮らしはじめてからリノベーションをするという方法もあります。 ただし、当然コストがかかりますので、資産計画はしっかり立てて検討しましょう。 |
◎デメリット2 先述しましたが、中古物件は解体してからはじめて分かる不具合があります。 リノベーション済物件の中には、配管や床下までリノベーションがされていないケースもあります。 引き渡し後に不具合が起こった場合、その部分を修繕しなければならないかもしれません。 |
◎対応策事前に配管や床下に不具合はなかったか、 きちんと交換はされているのか販売会社に確認しましょう。 また、点検口はあるのか、過去の修繕履歴や今後の修繕計画についてもチェックしておくことが重要です。 |
③リノベーション済み賃貸物件を借りた場合
最後は、不動産を購入するのではなく、
賃貸として住むケースです。
賃貸は自分でリノベーションはできないので、
リノベーション済物件を借りるということになります。
◎メリット面倒な手続きなどをせずに気軽にお洒落な家に住めるということが最大のメリットです。 また、家の維持費にお金がかからない、 初期費用がマイホームを購入する場合よりも安いという点も賃貸の利点といえるでしょう。 |
◎デメリット賃貸は、何年家賃を払っても自分の資産にはなりません。 住宅ローンでマイホームを購入した場合は、住宅ローンを完済後、 居住費は安くなりますが賃貸の場合は一生家賃を払い続けなければなりません。 また、高齢になるにつれ、家を借りることが難しくなります。 若いうちは気軽に住み替えができる賃貸が魅力的ですが、 老後の住まいのことも考えておく必要があります。 |
◎対応策転勤族の場合はマイホームを購入するのは無理と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、 将来的に転居の予定があってもマイホームを購入することは不正解ではありません。 資産価値の高い物件であれば、賃貸に出す、売却するなどの対応策はあります。 |
5.まとめ
今回の記事では、
リノベーションのデメリットと対応策についてご説明しました。
中古物件を購入してリノベーションをするときに、
特に注意しておきたいポイントをまとめると、
1.物件を選ぶときに内装や設備だけで購入を決めない
2.マンションの管理規約、構造、耐震性をチェックしておく
3.過去の修繕計画や管理状況は適切であるか確認
4.配管など見えない部分に不具合がないか確認
5.リノベーションの希望を明確にする
「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないよう、
今回ご紹介した対応策をぜひ参考にして、
理想のリノベーションを叶えてくださいね。